
- Googlebookは米国で10月4日、他の6か国で10月5日に店頭発売
- 899ドルからで、Google AI Proの12か月分が付属する
- スマホで始めた作業をPCで続ける設計で、仕事の入口はスマホ側に寄る
GoogleのノートPC「Googlebook」の店頭発売が始まった。Googleの発表によると、米国では10月4日から、カナダ、英国、アイルランド、フランス、ドイツ、オーストラリアでは10月5日から店頭に並ぶ。予約はGoogle StoreやBest Buyなどで9月21日の時点で始まっていた。
Googlebookは新カテゴリのノートPCで、Androidの技術基盤にChromeOSのデスクトップ基盤を組み合わせている。Googleは、Geminiの機能を使う前提で設計し、買ってすぐAndroidスマホと連携できるように作ったと説明している。価格は899ドルから。最初のフラッグシップ機はAcer、ASUS、Dell、HP、Lenovoが製造する。
仕事の入口がスマホになる
仕事の人にとって目を引くのは、スマホとの連携の深さだ。サインインすると、Androidスマホの設定、保存済みパスワード、Wi-Fiネットワーク、メッセージが、エンドツーエンド暗号化のもとで引き継がれる。「Continue On」は、スマホで始めた作業をノートPCのタスクバーから続きとして開ける機能だ。Googleは、通勤中にスマホの音楽制作アプリで始めたプロジェクトを例に挙げている。「Cast My Apps」はスマホのアプリをデスクトップのウィンドウ内で操作でき、FilesアプリではスマホのファイルをPC上で検索して開ける。
「Rambler」は、話した内容を見出しやチェックリストのある整理済みの文章に変える機能だ。声で話した考えを、そのまま共有できる文章にまとめる用途が想定されている。スマホで始めた作業を続ける機能と合わせて、「書き始める」場所がPCの前だけではなくなっていく。
論点1:作業の続きをどこで切るか
スマホとPCの連携が深まるほど、作業が途中で止まる場所は端末の境目ではなくなる。そうなると、スマホで何を済ませ、何をPCに残すかを先に決めたほうがいい。構想や下書き、資料の収集はスマホの段階で済ませ、PCでは構成の確認と仕上げに集中する。この分け方なら、Continue Onのような機能が手戻りを減らす方向に働く。
逆に、スマホで始めた作業が仕上がらないままPCに溜まると、続きが増えるだけになる。連携機能は作業の再開を楽にするが、終わらせる判断までは代わってくれない。
論点2:付属サービスと設計の前提を見極める
もう一つは、買う側が見るべき前提の話だ。全モデルに、Google AI Proの12か月分(5TBのクラウドストレージとGeminiの高い利用上限)、YouTube Premium 3か月分、Adobe Photoshopなどが付く。付属期間の終了後にどのサービスが有料になるかは、導入前に各サービスの条件を確認したい。
ハードウェアについてGoogleは、IntelとQualcommのプロセッサと、45 TOPS超のNPU(AI処理専用のチップ)を備え、最大14時間のバッテリー駆動だと説明している。NPUは端末内でAI処理を走らせるための部品で、TOPSはその処理能力を示す単位だ。ただしこれはGoogle自身の発表内容で、第三者の検証ではない。OSには最大10年間の定期的なアップデートが提供されるとされ、長く使う前提の業務PCとしては安心材料になる。
一方で、AIの機能がOSに組み込まれるほど、特定のサービスに仕事の記録が集まりやすくなる。業務のデータをどこに置き、どのAIに渡すかは、端末を選ぶ時点で決めておくほうがいい。
声で残した記録を、あとから文章にする使い方は、PCの機能に限った話ではない。メモリス(AIボイスメモ)は、スマホで録音した音声を、録音後にAIが文字起こしして要約する。会議でも思いつきでも、録音を渡せば数分で整理されたテキストになるので、端末が変わっても記録の置き場を一つに保てる。
Googlebookが示したのは、PCが仕事の起点ではなく、スマホで始めた作業の受け皿になりうるという方向だ。声やスマホで集めた素材を、どの段階で文章に整えるか。その設計が、新しいPCの価値を左右する。




