
- GMOが在宅勤務推奨方針を撤廃、代表の在宅勤務否定発言が炎上し謝罪に発展した
- LINEヤフーやアクセンチュアも出社比率を引き上げ対面回帰が広がる
- AIが定型業務を担う論拠は自動化の実態次第で、生産性の測り方の合意欠如こそが争点
7月13日、GMOインターネットグループが在宅勤務を推奨する方針を撤廃したとダイヤモンド・オンラインが伝えている。熊谷正寿代表がSNSで在宅勤務はマイナスだという趣旨の発言をすると賛否が噴出し、1週間後には、表現が行き過ぎていたことによる誤解だったとして謝罪した。ただし訂正は言葉遣いにとどまり、介護・育児・通院以外は原則出社というRTO方針自体は撤回していない。
LINEヤフーも2025年にフルリモートを撤廃し、2026年には出社頻度を原則週3回へ引き上げた。アクセンチュア日本は週5日のフル出社を原則とする。在宅勤務を主導してきた側が、そろって対面回帰に転じている。
論拠としてよく語られるのが「AIが定型業務を担う今こそ、人間は創造的な議論のために集まるべきだ」という理屈だ。もっともらしいが、これは自動化がすでに相当程度進んでいることを前提にしており、その進度は企業や業務によって差が大きく、一律には語れない。
出社か在宅かの裏には、生産性を何で測るかという合意の欠如がある。タイピング量のように可視化しやすい指標と、暗黙知の共有や意思決定の速度のように可視化しにくい指標は、同じ言葉でくくられていても性質が違う。GMOの発言が波紋を広げたのは、この違いを区別せずに言い切ったからだと見ることもできる。RTOをめぐる制度は今後も揺れるだろうが、何を測ってその結論に至ったのかを問う視点は、どちらの立場でも欠かせない。




