
- Windows標準の音声入力(Win+H)・音声アクセスは、その場で話した内容を文字にする機能で、録音ファイルの読み込みには対応していません
- 録音済みの音声ファイルを無料で文字起こしするには、NottaやLINE WORKS AiNoteなどのWebサービス、またはオフラインで動くOSSアプリが選択肢になります
- パソコンで録った音声をスマホのAIボイスメモに渡せば、文字起こしと要約まで一気に任せられます
会議や取材で録音した音声ファイルが手元にある。Windowsパソコンで開けるのだから、標準機能だけで文字にできるはずだ。そう考えて「文字起こし」で検索し、出てきた手順通りにWin+Hキーを押してみた人は多いはずだ。
ところが、待っていても何も起きない。マイクのアイコンが画面に表示されるだけで、肝心の音声ファイルを読み込む場所がどこにも見当たらない。実はこの機能、パソコンに向かって今しゃべる用の道具であって、保存済みの録音を渡す用途には作られていない。
Windowsで録音ファイルを無料で文字にするには、標準機能とは別の場所を探す必要がある。
Windows標準でできることと、できないこと
まず結論から言うと、Windows標準の機能に、録音済みの音声ファイルを一括で文字起こしする機能は無い。標準で用意されているのは、いずれも「その場で話す」ことを前提にした機能だ。
音声入力(Win+H)
Windows 11には、文字入力欄にカーソルを置いた状態でWin+Hキーを押すと使える音声入力機能がある。メモ帳、Word、ブラウザの検索窓など、文字が打てる場所ならどこでも使え、話す間や文脈をもとに句読点を自動で挿入する設定もある。ただしこれはキーボードの代わりに声で文字を打ち込む機能であり、Microsoft公式サポートによれば利用にはインターネット接続が必須で、録音済みファイルを読み込む入り口は無い(2026年9月時点・公式で要確認)。
音声アクセス
Windows 11(バージョン22H2以降)には、PC全体をマウス・キーボード無しで声で操作しつつ、テキストボックスへの口述筆記もできる「音声アクセス」というアクセシビリティ機能もある。初回セットアップで言語ファイルをダウンロードすれば、以降はインターネット接続なしでテキスト作成に使える点が音声入力との違いだ。日本語対応は2025年後半以降に順次進められており、対応状況は変わりやすいため利用前に最新情報を確認してほしい(2026年9月時点・公式で要確認)。こちらもPCの操作・口述が目的の機能で、録音ファイルの読み込みには対応していない。
Word(Microsoft 365)のディクテーションとトランスクリプト
Microsoft 365を契約していれば、Wordには2つの音声機能がある。マイクにその場で話しかけてWord文書に打ち込む「ディクテーション」と、録音済みの音声ファイルをアップロードして話者ごとに区切った文字起こしができる「トランスクリプト」(Web版中心・月300分まで)だ。録音ファイルの文字起こしという意味では、Windows標準機能よりトランスクリプトのほうが近い働きをするが、Microsoft 365のサブスクリプションが前提になる。詳しい手順と制約はWordで文字起こしする方法にまとめている。
サウンドレコーダー(録音専用アプリ)やライブキャプション(再生中の音声をリアルタイム字幕表示する機能)についても含め、Mac・iPadとの対応条件の違いまで幅広く整理した記事がMac・iPad・Windowsのボイスメモ文字起こしにある。Windows側の純正機能をさらに詳しく知りたい場合は、そちらもあわせて読んでほしい。
無料ソフト・無料枠のあるサービスの比較
録音済みの音声ファイルを読み込んで文字にできる、無料または無料枠のあるソフト・サービスを比較した。載せたのは公式ページで仕様を確認できたものに限る(2026年9月時点確認。仕様は変更されることがあるため、利用前に必ず各公式サイトで最新情報を確認してほしい)。
| サービス/ソフト | 音声ファイル読み込み | 日本語精度の傾向 | 無料の上限 | オフライン可否 |
|---|---|---|---|---|
| Notta(Web版) | 可(ブラウザからアップロード) | 定評あり、固有名詞は誤変換が残る | 月120分まで(1回3分まで) | 不可(要ネット) |
| LINE WORKS AiNote(Web版) | 可(ブラウザからアップロード) | 日英韓に対応、実用レベル | 月300分まで(1回60分・AI要約は不可) | 不可(要ネット) |
| Vrew | 可(音声・動画ファイル) | 日本語対応、字幕編集に強み | 無料プランあり(上限は公式サイトで要確認) | 不可(要ネット) |
| Vibe(OSS) | 可(音声・動画ファイル) | OpenAIのWhisperを使用、90以上の言語に対応 | 無料(回数・時間の上限なし) | 可(完全オフライン) |
Notta・LINE WORKS AiNote:ブラウザだけで完結する定番サービス
どちらもWebブラウザからアカウント登録し、音声ファイルをアップロードするだけで使える。インストールが不要で手軽な反面、無料枠には月間の上限がある。長い会議を頻繁に文字にする用途では、上限に届く前に有料プランへの切り替えを考えることになる。
Vrew:字幕編集までやりたいなら
VoyagerX社が提供する動画編集ソフトで、Windows・Mac・Linuxに対応する。音声・動画ファイルをAIが自動で認識し、字幕として書き出せる点が特徴で、YouTube用の動画に字幕を付けたい人にもよく使われている。クラウド上のAIで処理する仕組みのため、利用にはインターネット接続が必要になる。
Vibe:完全オフラインで動かしたい人向け
OpenAIが公開した音声認識モデルWhisperを、パソコン上でそのまま動かせるようにしたオープンソースのアプリ。GitHubで公開されている個人・コミュニティ主導のプロジェクトで、企業のサポート窓口があるわけではない点は理解した上で使う必要があるが、音声データを一切外部に送らず、オフラインで文字起こしできるのが最大の特徴だ。機密性の高い音声を扱う人や、無料枠の上限を気にせず使いたい人に向く。導入にはある程度パソコン操作に慣れていることが前提になる。
選ぶときの軸
4つの選択肢は、それぞれ得意な場面が違う。ブラウザだけで手早く済ませたいなら、インストール不要のNottaかLINE WORKS AiNoteが向く。動画に字幕を焼き込むところまで一気にやりたいならVrew、録音の中身を外部のサーバーに一切送りたくないならVibe、というように、優先したい条件から逆算すると選びやすい。無料の上限に達しやすい人ほど、複数のサービスを併用して月間の枠を分散させる使い方も現実的だ。
第3の選択肢:PCの音声をスマホのAIボイスメモに渡す
ここまでの選択肢はどれも「パソコン上で完結させる」方法だった。もう一つ、パソコンで録音した音声ファイルを、スマホのAIボイスメモアプリに渡して処理する方法もある。
メモリスは、対応形式にm4a・mp3・webm・mp4・wav・mpga・mpegを含むAIボイスメモアプリで、Windowsのサウンドレコーダーで録った音声ファイルも、クラウドストレージやメール、USBケーブルなどでスマホに転送すれば、そのまま読み込める。録音を止めたあとにAIが処理する方式で、その場でテキストが出るわけではないが、数分後には文字起こしと要約の下書きが届く。決定事項やToDoの整理まで自動でこなす点は、ここまで見てきた文字起こし専用のソフト・サービスには無い違いだ。
料金は登録後3回まで無料で、継続する場合はエリート(830円/月・月20回)かエグゼクティブ(1,380円/月・月50回)。AI処理が完了した音声データは即時に自動で削除される。長い会議の録音を、文字起こしだけでなく決定事項の整理まで一気に済ませたい場合の選択肢として覚えておくとよい。
無料の文字起こしを試すところから始めたい場合は、AI文字起こしを無料で始める手順や、対応する音声ファイル形式の違いをまとめた音声ファイル文字起こしの対応形式もあわせて読むと、ツール選びで迷いにくくなる。
まとめ
- Windows標準の音声入力・音声アクセスは、その場で話した内容を文字にする機能で、録音済みファイルの読み込みには対応していない
- 録音ファイルをWindows標準で扱いたいなら、Microsoft 365のWordにある「トランスクリプト」機能(月300分まで)が現実的な選択肢になる
- 無料の文字起こしには、Web完結のNotta・LINE WORKS AiNote、オフラインで動くVibeなど、性格の異なる選択肢がある
- パソコンの録音をスマホのAIボイスメモに渡せば、文字起こしから要約まで一気に任せられる
まずは手元の録音を1本、今の環境で無料の範囲で文字にしてみてほしい。決定事項の整理まで自動化したくなったら、メモリスの無料トライアルでスマホに渡す方法を試すとよい。
よくある質問
Windows標準の 機能だけで 音声ファイルを 文字起こしできますか?
できません。Windowsの音声入力(Win+H)と音声アクセスは、どちらもマイクに向かって話した内容をその場でテキストにする機能で、保存済みの音声ファイルを読み込んで一括変換する機能ではありません。録音済みのファイルを文字にしたい場合は、Microsoft 365のWordにある「トランスクリプト」機能か、無料の文字起こしソフト・サービスを使うことになります。
Windows 11の 音声認識は 無料で 日本語に 対応していますか?
Win+Hキーで呼び出す音声入力は無料で日本語に対応しており、インターネット接続があればすぐに使えます。PC全体を声で操作しつつ口述筆記もできる「音声アクセス」というアクセシビリティ機能も無料で搭載されており、日本語対応は2025年後半以降に順次進んでいます(2026年9月時点・公式で要確認)。どちらもその場で話す前提の機能で、録音ファイルの一括処理には対応していません。
無料の 文字起こしソフトを選ぶ ときに 注意する ことは ありますか?
無料の上限(月間の文字起こし時間や1回あたりの長さ)、オフラインで使えるか、音声データがどう扱われるかの3点を公式サイトで確認してから使うことをおすすめします。フリーソフトの情報は古くなりやすく、紹介記事だけを見て仕様が変わっていることに気づかないケースもあるため、契約や利用の前に必ず公式ページの最新情報にあたってください。




