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2026年10月07日 19:08

Kakeai AI 1on1提供開始、会話を文字起こしして助言

執筆: Takumi(Memolith開発者)
メモリスメモリスによる要約
  • Kakeaiが生成AIで全面刷新、1on1の前・最中・直後に助言
  • 文字起こしと要約は共有しない限り二人だけのもので音声は保存されない
  • 導入時は文字起こしの扱いを先に決めておくのが要点

株式会社KAKEAIは、2020年から提供してきた1on1サービス「Kakeai」を生成AIで全面刷新し、2026年10月5日から「Kakeai AI 1on1」として提供を始めた。発表資料(PR TIMES)によると、上司と部下の1on1に同席するAIという位置づけだ。二人のこれまでの会話、関係、決めたことの実行状況、今抱えていることを踏まえて助言するという。

助言のタイミングは三つに分かれている。1on1の前には、テーマや話題ごとの対話のあゆみをまとめ、上司が書いた「メンバーに伝えたいこと」の切り出し方まで助言する。最中は会話を文字に起こして定期的に整理・要約し、前回決めたことを切り出して、会話から拾った「次の一歩」の候補を決めるところまで案内する。直後には要約を仕上げ、その日のよかった点と次回以降への助言を、上司と部下それぞれに届ける。

Kakeai AI 1on1の助言タイミング。1on1の前→最中→直後

発表資料は設計について、何かを入力してから使うのではなく、1on1をすればその会話がそのまま支援の材料になると説明している。何を話し何を決めるかは人が選ぶ、とも書かれている。Kakeaiは累計600社以上が利用し、上で行われた1on1は累計300万回を超えるとされるが、これは企業自身が公表した数値だ。

読者の仕事に引きつけると、1on1の記録係を誰がやるか、という悩みに直接効く製品だと読める。上司がメモを取りながら話すと相手の顔を見る余裕が減る。会話そのものが材料になるなら、記録のために話の流れを止める場面は減るだろう。

この発表で最も目を向けたいのは、助言の質より、文字起こしの扱いである。上司と部下の1on1は、評価や不満、キャリアの迷いが出る場だ。そこにAIが同席して全部を文字にするなら、部下は「この記録は誰に見られるのか」を最初に気にする。導入を検討する側は、機能比較より先にこの点を決めるべきだと考える。理由は単純で、部下が記録を警戒して本音を控えれば、AIが拾う材料そのものが痩せ、助言の精度も下がるからだ。

この点でKakeai AI 1on1の設計は、一定の答えを用意している。発表資料には、文字起こしと要約はどちらかが共有しない限り二人だけのものであり、音声は保存せず、顧客データはAIモデルの学習に使わないとある。上司だけが記録を握る構造ではない。音声を残さず文字だけを残す設計は、聞き直せなくなる代わりに預かるデータを減らす判断で、録音を扱うアプリでは避けて通れない選択だ。

ただし、これで十分とは言えない。発表資料が示すのは製品側の設計であり、現場での使われ方は別問題だ。どちらかが共有すれば二人のものではなくなる以上、共有の判断が人間関係の力の差に引きずられる余地は残る。上司が「共有してほしい」と言えば、部下は断りにくい。また、メンバーの職種や特性を入力する機能は、その内容が入力した上司へのアドバイスにだけ使われるとされるが、部下本人が何を入力されているかを知る仕組みについては、資料から読み取れない。

それでも、先に運用の約束を決めておくという主張は成り立つ。設計上の保護は、運用の約束とセットになって初めて部下に伝わるからだ。たとえば、記録を人事評価に使うのか、共有はどんな場合に限るのかを、使い始める前に二人で言葉にしておく。製品の設計は信頼の土台にはなるが、信頼そのものは1on1の席で上司が説明して初めて生まれる。AIの助言の良し悪しを比べるのは、その後でよい。

1on1や面談の記録を自分で管理したい場合は、録音を後から文字にする使い方もある。メモリス(AIボイスメモ)なら、録音をAIに渡すと数分で文字起こしと要約が完成する。ただしこれは録音後の処理であり、会話の最中に支援するものではない。採用側の動きとしてはWantedly HireのAI議事録のように、面談の記録をAIに任せる例も出ている。どの形でも、記録の持ち主を先に決める点は変わらない。

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