
- 管理職調査で導入企業の7割超が生成AIの支障を実感
- 使いこなせない最多は現場でなく課長・リーダー職
- 活用は文書作成が中心、経営層の習熟遅れが構造的な壁
生成AIを導入した企業のうち、7割超が「使いこなせない人による業務支障」を実感している。
コーレ株式会社が管理職・マネージャー1,008名を対象に実施した「2026年最新・企業の生成AIの利用実態」調査で、この数字が明らかになった(出典:コーレ株式会社)。
調査対象は生成AIを業務に導入している企業の管理職で、回答者の内訳はプライム上場企業が4割と最も多い。 利用ツールは「ChatGPT」が57.7%で最多、「Gemini」39.3%、「Microsoft Copilot」30.3%と続く。 活用業務の1位は「文書作成(企画書、議事録、報告書など)」で63.1%。 情報収集・要約が51.4%でそれに続き、失敗のリスクが低く効果を実感しやすい領域から定着している様子がうかがえる。
導入目的は「業務の時間短縮・効率化」が66.2%で突出しており、約7割が「導入はうまくいっている」と回答した。 投資意欲も高く、約9割が「今後もAIへの投資を増やしたい」と答えている。 数字だけを見れば、生成AI導入は順調に進んでいるように映る。
ところが、同じ調査で「使いこなせない人によって業務に支障が出ている」と答えた管理職も7割を超えた。 しかも、使いこなせない層として最も多く挙がったのは現場の一般職(25.6%)ではなく、「自部門の課長・リーダー職」(29.3%)と「経営層」(26.8%)だった。 導入企業の約7割には専門チームや投資予算まで用意されているのに、支障の震源が現場ではなく管理職・経営層にあるという結果は、単純な人材育成の話では片付かない構造を示している。
この結果を見ると、「現場向けの研修を増やせば解決する」という対応がまず浮かぶ。 実際、調査でも活用が進まない要因として「具体的な活用アイデアが出ない」が26.0%挙がっており、教育不足という診断自体は的外れではない。 しかし、この対応だけでは支障の主因を取り違える。 使いこなせない層の1位・2位が課長・リーダー職と経営層である以上、研修の的を現場に絞っても、意思決定を担う層の習熟遅れという本丸には届かない。 管理職は部下より実務でAIに触れる機会が少なく、評価やフローの刷新を担う立場でありながら、自分自身がツールの使い方を知らないまま指示を出しかねない状況にある。
踏み込んだ対応として有効なのは、管理職本人が日常業務の中で使わざるを得ない形にAI活用を組み込むことだろう。 文書作成が活用業務の1位という結果は、管理職の日常業務の中でも会議の記録・報告書化がAIとの接点になりやすいことを示している。 会議中の発言をリアルタイムで処理するのではなく、録音した音声を後から渡すだけで文字起こしと要約が仕上がるAIボイスメモは、会議に出るだけで自動的にAI活用の実務経験が積める設計であり、この種の「使わせるための仕組み」の一例になる。 セキュリティ懸念(33.5%)が阻害要因の最多である点を踏まえれば、音声データの扱いを説明しやすいツールを選ぶことも、管理職層の抵抗を下げる実務的な条件になる。
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