
- Copilot in Excelは誰がいつワークブックを変更したか確認できる機能を持つ
- AIは直接編集するため元に戻す・旧バージョン確認との併用が前提
- 会話履歴機能は商用サブスク向けに展開中で個別削除はまだできない
表計算ソフトExcelに組み込まれたAIアシスタント「Copilot in Excel」について、Microsoftのサポート文書が使い方を案内している。
ワークブック(Excelのファイル)の変更履歴をCopilotに尋ねることで、誰がいつ変更を加えたかを調べられる、という機能だ。Microsoftのサポートページには、この機能についてさらに詳しく説明する別ページへの案内もある。
複数人が同じスプレッドシートを触る職場では、「この数字は誰がいつ書き換えたのか」を探す作業がありふれた手間になっている。予算表や見積もりのセルが知らないうちに変わっていて、担当者に一人ずつ聞いて回った経験がある読者は多いだろう。Copilotに変更履歴を尋ねられる機能は、この探索の手間を減らす方向の改善に見える。
変更履歴の追跡は「誰が・いつ」には答えるが、「なぜ変えたのか」には答えない。
Copilotが調べられるのは、ワークブックの内側で起きた変更の記録だけである。セルの数値が変わった理由が、その前に開かれた会議での議論や口頭の合意だったとしたら、その経緯はExcelの外側に残る。数字の変化を追えても、変化を決めた場のやり取りまでは追えない。会議で決まった変更点を後から確認できるようにしておきたいなら、会議そのものを記録する手段を別に持つほうが確実だ。録音をメモリス(AIボイスメモ)のようなアプリに渡して文字起こし・要約を残しておけば、スプレッドシートの変更履歴と突き合わせて「なぜこの数字になったか」まで追えるようになる。
もう一つ、Copilotに直接編集を任せる場合は、元に戻す手順をあらかじめチームで決めておくべきだ。
Microsoftのサポート文書は、Copilotがワークブックに直接変更を加えるため、機密情報を含むファイルや共有ファイルを編集する際は注意が必要だと明記している。その一方で、変更に問題があれば元に戻したり、以前のバージョンを表示したりできるとも案内している。つまりCopilotの便利さは、AIが加えた変更を後から検証できる仕組みとセットで成り立っている。個人の作業なら気づいた時点で元に戻せばよいが、共有ファイルでは複数人が上書きを重ねるため、誰かの変更をCopilotが誤って打ち消してしまう可能性もある。自動保存を無効にして試すか、元に戻す担当者や確認のタイミングを事前に決めておくほうが、共同作業でのトラブルを避けやすい。
なお会話履歴の閲覧機能は商用のMicrosoft Copilotサブスクリプション向けに展開が進んでいる段階で、個々の会話を選んで削除する機能は現時点では用意されていない。過去のやり取りをどこまで残すかも、共有環境で使う前に確認しておきたい点になる。




