- 音声メモの文字起こしと要約をNotionやObsidianに貼り付ければ、検索できる知識ベースに変わる
- 自動連携機能はまだ無く、メモリスで文字起こしと要約をしたテキストを転記するのが現実的な運用になる
- 要約を先頭、全文の文字起こしを折りたたみやリンク先に置くと、思い出しやすさと検索性を両立できる
思いついたことを、スマホに向かって喋る。会議の合間や電車の中、散歩中にアイデアが浮かんだ瞬間、メモアプリを開いて文字を打つよりも声で残す方が速い。この習慣は、もう珍しくない。
問題は、その先にある。録った音声は、たいてい録音アプリの中に置き去りになる。毎日開いているNotionのワークスペースにも、Obsidianのvault(ノートを保存しておくフォルダ)にも入っていない。だから後になって「あのとき考えたこと」を探そうとしても、テキスト検索には引っかからない。声は残っているのに、知識にはなっていないのだ。
この記事では、音声メモをNotionやObsidianに取り込み、他のノートと繋がる知識ベースに変える具体的な手順を扱う。結論を先に言うと、鍵になるのは録音そのものではなく「テキスト化」という一つの工程である。
音声メモが「記録」で終わり、「知識」にならない理由
セカンドブレインとは、自分の頭の外に作る、もう一つの記憶と思考の置き場のことだ。Notionのデータベースや、Obsidianに積み上げたノートの集まりがそれに当たる。頭の中だけで覚えておくのではなく、外部に書き出しておき、必要なときに検索して呼び出す。PKM(Personal Knowledge Management、個人の知識管理)という呼び方も、指しているものはほぼ同じである。
音声メモが知識にならないのは、内容が悪いからではない。保存先が孤立しているからである。録音アプリの中の音声ファイルは、他のノートから検索できず、リンクも張れない。せっかく良いアイデアを録っても、それはNotionやObsidianという「ふだん見ている場所」の外に置かれたままになる。
だからといって、録音を聞き直して手で書き写すのは現実的ではない。10分の録音を文字に起こすには、思っている以上に時間がかかる。ここで必要になるのが、音声をテキストに変換する工程である。
テキスト化が、音声メモとセカンドブレインをつなぐ
音声をテキストに変換してしまえば、あとはコピーして貼るだけで、NotionにもObsidianにも持ち込める。この変換を担うのが、AIボイスメモアプリだ。
メモリスの場合、録音を止めてAIに渡すと、処理が始まる。会議中にその場で字幕が出るような、リアルタイムの処理ではない。録音が終わったあとにAIがまとめて処理し、数分で全文の文字起こしと要約が届く仕組みである。この「数分待つ」という一手間さえ挟めば、音声はテキストという、検索もコピーもできる素材に変わる。料金は登録後3回まで無料で、継続する場合はエリート(830円/月・月20回)かエグゼクティブ(1,380円/月・月50回)である。
Notionに音声メモの文字起こしを取り込む
Notionへの取り込みは、データベースの1レコードとして音声メモを扱うイメージになる。手順は次の通りだ。
- 音声メモを録音する
- メモリスで文字起こしと要約をする(録音後にAIが処理し、数分で完成する)
- Notionのデータベースに新規ページを作り、要約を本文の先頭、全文の文字起こしをその下に貼り付ける
- 「日付」「ソース」「タグ」などのプロパティを付けて、他のページから絞り込めるようにする
現時点でメモリスとNotionを自動で繋ぐ連携機能はない。コピーして貼り付ける、この一手間が必要になる。ただし要約とタグの型さえ決めておけば、貼り付け作業自体は数十秒で終わる。会議の議事録なら「日付、参加者、決定事項」、アイデアメモなら「日付、カテゴリ、次のアクション」といった具合に、プロパティの型を先に固定しておくと、あとから見返すときの一覧性が上がる。
Obsidianで、音声メモを1つの「ノート」に変える
Obsidianは、NotionのようなクラウドDBではなく、Markdown形式のファイルをローカルのフォルダ(vault)に貯めていくノートアプリだ。強みは、ノート同士を[[ノート名]]という記法で直接リンクできる点にある。
音声メモの取り込み方はシンプルで、文字起こしした全文をそのまま1つのノートとして保存する。要約は冒頭に置き、本文中に出てきた固有名詞や関連する既存ノートには[[ ]]でリンクを張る。「今日思いついたアイデア」の録音でも、書き殴りのままではなく、他のノートから辿り着けるノートとして扱えるようになる。
デイリーノート機能を使っている場合は、その日のページに音声メモへのリンクを1行足すだけでもいい。録音した日と場所が特定できることが、あとから記憶を辿る手がかりになるからだ。
Obsidianへの音声入力は、アプリの中で完結させるより、文字起こし済みのテキストを貼り付ける形の方が現実的だ。録音そのものをObsidianの外(メモリスなどのAIボイスメモアプリ)で済ませ、テキストになったものだけをvaultに持ち込むと考えると、手順に迷いがなくなる。
要約と全文、どちらをセカンドブレインに残すか
取り込むとき、要約だけを残すか、全文の文字起こしまで残すかで迷うことがある。
結論から言えば、両方を残した方がいい。要約はページを開いた瞬間に内容を思い出すためのもの、全文は検索に引っかかるためのものと、役割が違うからだ。要約だけでは、話していた細かい言い回しや、ふと出た固有名詞が拾えない。かといって全文だけでは、ページを開くたびに読み返す気力が要る。
Notionならトグルリスト、Obsidianなら折りたたみ記法で全文を畳んでおけば、見た目はすっきりしたまま、検索対象からは外れない。要約を上、全文を折りたたみという型に決めてしまえば、迷う工程はもうなくなる。
実際にどう運用しているか
私は自分で開発しているメモリスを、日常的な音声メモの入口として使っている。会議の内容も、ふと思いついたことも、区別せずまず録音してメモリスに渡す。
届いた要約と全文は、内容ごとに置き場所を分けるとおさまりがいい。仕事寄りの記録ならNotionのデータベース、まだ形になっていない発想の断片ならObsidianのノート、という振り分けは多くの人にとって自然な線引きになるはずだ。振り分けの基準は人それぞれでいいが、共通して言えるのは、録音した時点ではどちらに入れるか決めなくていいということだ。テキストになってから振り分ければ、迷いながら録音する必要がなくなる。
まとめ
- 音声メモが知識にならないのは、録音アプリの中に孤立しているからである。NotionやObsidianに文字起こしを取り込めば、検索でき、他のノートともリンクできる知識ベースに変わる
- 現時点で自動連携機能はなく、メモリスで文字起こしと要約をしたテキストをコピーして貼り付けるのが現実的な運用である
- 要約を先頭、全文の文字起こしを折りたたみやリンク先に置くと、思い出しやすさと検索性を両立できる
音声メモは、録りっぱなしにしている限り記録のままだ。テキストにして、いつも見ている場所に置く。その一手間だけで、セカンドブレインの一部になる。
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よくある質問
メモリスの 文字起こしを Notionに 自動連携できますか?
現時点でNotionとの自動連携機能はありません。メモリスで文字起こしと要約をしたテキストをコピーし、Notionのページやデータベースに貼り付ける運用になります。要約とタグの型を先に決めておくと、貼り付け作業自体は数十秒で終わります。
Obsidianと Notion、 音声メモの 取り込み先として どちらが 向いていますか?
ローカルのMarkdownファイルとしてバックリンクで繋げたいならObsidian、プロパティで条件を絞り込んだり複数人と共有したりしたいならNotionが向きます。どちらも文字起こし済みのテキストを貼り付けるという手順自体は変わりません。
音声メモは 要約と 全文、 どちらを 保存すればいいですか?
要約を本文の先頭、全文の文字起こしをその下か折りたたみ、または別のリンク先に置くのがおすすめです。検索に引っかかるのは全文の方なので、後から見返す言葉が入っている全文も残しておくと、探しやすさが上がります。