- 楽天モバイルがRakuten AI for BusinessにClaude活用の新機能を追加
- リサーチ機能は100〜150サイトから約20分で情報収集
- データ分析機能は非専門部署の担当者にも活用の門戸を開く
「情報収集と分析をAIに任せる」という謳い文句は、この数年で聞き飽きるほど繰り返されてきた。それでも楽天モバイルが8月6日に発表した機能追加には、確認しておく価値がある。
楽天モバイルは、法人向け生成AIサービス「Rakuten AI for Business」に、AnthropicのAIモデル「Claude」を活用したリサーチ機能とデータ分析機能を追加したと発表した(楽天モバイル公式プレスリリース)。
2025年1月に提供が始まったこのサービスに新たに加わったリサーチ機能は、日本語で指示するだけで100〜150のサイトから業務に必要な情報を収集し、20分程度でまとめてくれるという。市場調査や競合調査、企画立案といった、担当者がこれまで個別に情報を探し回っていた業務を肩代わりする狙いだ。データ分析機能は、企業が保有する各種データの集計・分析を自動で行い、専門知識を持たない営業や企画、マーケティング、管理部門の担当者でも、データに基づいた判断を下せるようにする。
この機能追加が示しているのは、大手キャリアが「AIで生産性を上げる」市場を、単体ツールの性能競争ではなく、「情報収集→分析→意思決定」という業務フロー全体の入口として囲い込みにかかっている、という構図である。法人向けAIサービスの主戦場は、チャットの応答品質そのものから、業務プロセスのどこに食い込むかへと移りつつある。
リサーチ機能もデータ分析機能も、額面通りに受け取れば「担当者の作業時間を減らす便利な自動化」に見える。実際、100〜150サイトから20分で情報を集められるなら、多くの調査業務の下準備はそれだけで不要になるだろう。
ただし、この種の機能がどこまで効果を発揮するかは、AIの処理能力よりも、その手前にある「分析可能な形でデータが存在しているか」で決まる。データ分析機能は「企業が保有する各種データ」の存在を前提にしているが、多くの企業では、会議で交わされた議論や意思決定の根拠そのものが、録音済み音声や断片的なメモの形でしか残っておらず、分析にかけられる構造化データにはなっていない。つまり分析AIの実力は、入力側のデータ整備がどこまで進んでいるかに強く制約される。
ここに、会議の録音を残しておく仕組みの位置づけが見えてくる。会議中の発言を録音し、終了後にAIが処理して決定事項や論点をテキストに残す設計は、こうした「未構造化のまま社内に埋もれるデータ」を、分析可能な形へ変換する前段の作業にあたる。リサーチ・分析機能がどれだけ強力になっても、入力になる社内データが整理されていなければ、分析の対象は結局、外部の公開情報に偏ったまま止まる。
企業がAI活用の投資先を検討するなら、分析AI自体の性能よりも、自社の会議・商談・議論という一次情報が、どの段階でテキスト化され、どの程度の粒度で蓄積されているかを先に点検したほうがいい。
あわせて読みたい: 楽天モバイル「Rakuten Link」にAI通話要約機能、Android/iPhone両対応で提供開始 AI議事録の不安1位は「情報漏えい」42.8%、同意の徹底は22.7%止まり
AIボイスメモを試してみませんか?
難しい設定は不要です。録音ボタンを押すだけで、あとはAIが文字起こし・要約・議事録まで仕上げます。
iOS / Android 対応