
- LINEのトーク内でAIが候補日を提案し、予定を見て○△×の回答案も出す
- AIが見るのは利用者本人の予定だけで、他の参加者の予定は見ない
- 日程が決まった後の記録は別の作業で、段取り全体で見直す価値がある
LINEヤフーは2026年10月5日、LINEで友だちとの予定決めをAIが手伝う新機能「日程調整エージェント」を、「LINEラボ」から提供開始しました。詳細はLINEヤフーの発表にまとまっています。
何ができるのか
対象はLINEのトークルーム内での日程調整です。AIが日程調整の作成、候補日の提案、参加可否の回答、参加者への個別の日程調整などをサポートします。
主催者が決めたい内容を入力すると、AIがタイトルと候補日時を提案します。「土日だけにして」「自分の予定がある日は外して」といった自然な言葉で条件を変えることもできます。イベントなど日程の情報が必要な場面では、Web検索を使って候補日を出します。
参加者側では「AIにおまかせ」を選ぶと、「LINEカレンダー」に登録された自分の予定をAIが参照し、候補日ごとの回答を提案します。予定が重ならなければ「○」、前後に予定があれば「△」、重なっていれば「×」といった形です(「など」とあり、例示を含む説明です)。スマートフォンのカレンダーと連携していれば、その予定も踏まえて確認できます。
回答期限の24時間前にはトークルームへリマインドが届きます。全員が参加できる候補日がないときは、AIが参加者ごとに再調整を提案し、変更するかどうかは各自が選びます。全員が回答するか期限を迎えると、AIがおすすめの日程を提案し、決まった予定は結果画面からLINEカレンダーへ登録できます。
使い始めるには、LINEラボで「日程調整エージェント」をONにし、トークルームの入力欄下にある「日程調整」を起動します。日本国内で提供され、LINEアプリはバージョン26.15.0以上が必要です。AI機能を初めて使うときは、情報利用への同意も求められます。本機能は、2026年4月に発表された「Agent i」(Yahoo! JAPANのAIアシスタントとLINEのLINE AIを統合したAIエージェントの新ブランド)の取り組みの一つとして開発されました。
仕事の読者にとっての意味
発表の文脈は「友だちと会う予定」ですが、構造は仕事の日程調整とほぼ同じです。候補を出し、全員の都合を集め、折り合う日を決めるという流れです。この往復はメッセージの数だけ時間を食うので、候補作成と回答の下書きをAIが引き受けるだけでも、手間は減るはずです。
ただし、AIが参照するのは利用者本人の予定だけで、他の参加者のカレンダーや予定は見ません。つまりAIが肩代わりするのは「自分の側の返信作業」であり、相手の空き状況を読み取って最適な日を割り出す仕組みではありません。全員の回答が揃わなければ決まらない点は、これまでの日程調整と変わりません。
回答案をどこまで任せるか
任せてよいのは、予定が重なる候補日を外す作業のように、カレンダー上の事実で決まる部分です。一方で「△」は、前後に予定があるという事実を示しているにすぎません。移動に何分かかるか、直前の打ち合わせが延びやすいか、といった事情はカレンダーに載っていないことが多いため、△の日を受けるか断るかは本人が決めるべきです。AIの提案は下書きとして使い、送信前に自分の事情と照らす。これが、発表されている仕様と矛盾しない使い方です。
あわせて、初回の同意画面は読み飛ばさないほうがよいでしょう。この機能は、AIにカレンダーの予定を読ませることで成り立っています。仕事の予定に顧客名や社外の案件名が入っている人は、何がAIに渡り得るのかを同意の段階で確認し、気になるなら予定のタイトルの書き方を見直すほうが安全です。
一方で、日程調整が片付いたあとに残る作業は、別の問題として考える必要があります。日程調整エージェントが短くするのは「いつ会うか」を決めるまでの手間で、会った場で何が決まったかの記録は対象外です。段取り全体を時短したいなら、日程調整の自動化とは別に、会議や打ち合わせの中身をどう残すかも決めておく必要があります。
会議の内容は、録音しておけば後から文字にできます。メモリス(AIボイスメモ)は、録音した音声を録音後にAIが処理し、文字起こしと要約を数分で用意するアプリです。日程は調整を任せ、当日は議論に集中し、終わったら録音を渡す。入口と出口を別々に軽くしておけば、会議の前後の雑務を分けて減らせます。
なお、この機能はLINEラボでの提供であり、仕様や対応範囲は今後変わる可能性があります。業務で使う場合は、最新の案内を確認したうえで導入を判断してください。



