- デザイン業の倒産が上半期40件、前年同期比166.6%増で14年ぶり高水準
- 要因は生成AIの内製化だけでなく広告の脱紙媒体・住宅不振の3つ
- 倒産の9割が従業員5人未満、独自性の乏しい受託が集中
東京商工リサーチが8月2日に発表したところによると、2026年上半期(1〜6月)の「デザイン業」の倒産は40件、前年同期比166.6%増――調査は「約2.7倍」という数字で伝えている。上半期として40件を超えたのは2012年(45件)以来14年ぶりだという。「AIにデザインの仕事を奪われた」と読みたくなる数字ではある。
だが同社が挙げた要因は一つではない。生成AIによる顧客企業側の内製化に加え、デジタル広告需要の拡大で紙媒体主力の企業が打撃を受けたこと、そしてハウスメーカー(木造建築工事業)の倒産増加(上半期87.3%増)に伴うインテリアデザイン業への波及――3つが並ぶ。AIは主犯というより、複数の圧力が重なった構図の一角と見る方が正確だろう。
倒産企業の9割(36件)が従業員5人未満という数字も、この見方を後押しする。淘汰が起きているのは、個人や小規模の受託先が担っていた、代替されやすい工程のようだ。東京商工リサーチも「独自性を打ち出せない企業は価格競争も劣勢に立たされる」と分析し、一方で著作権処理や生成物の確認といったリスク対応ができる会社は存在感を高める可能性があるとみている。線が引かれているのは制作能力の有無ではなく、確認と責任を引き受けられるかどうかの方らしい。
会議の提案資料や企画書を作る側にとっても、同じ線引きは無縁ではない。生成AIが下書きを速く作れる工程と、判断や説明責任が残る工程は分けて考える必要がある。件数は現在のペースが続けば2011年の80件を上回る可能性があると同社は指摘しており、この先の推移はまだ見えていない。
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