
- Anthropicがeffort設定の使い方を解説する記事と公式ガイドを公開
- 筆者は低effortで実装・高effortで検証する配分を自身の運用として紹介
- effortを上げるほど所要時間は伸び、検証可能な作業ほど効果が出やすい
AnthropicのThariq Shihipar氏が2026年9月25日、Claude Codeのeffort設定について解説する記事Using Claude Code: Spending your effortを公開した。effortとは、モデルにそのタスクへどれだけの計算量を使ってほしいかの目安を与える設定で、低・中・高・最大の段階で切り替えられる。Anthropic本体のブログも、effortの上げ下げとモデル選択の判断基準を解説する公式ガイドを別途出している。
Shihipar氏が示した実験例は具体的だ。個人向けのフィットネス記録アプリを、仕様を細かく指定せずに作らせたところ、所要時間は低effortで1.5分、中effortで4分、高effortで11分、最大effortで67分と伸びた。Claude Codeの設定メニューを作り直させた別の実験でも、低effortの1分では発想は伝わるがClaude Codeらしい見た目ではない対話型スケッチしか得られず、最大effortの28分でようやくClaude Code本体に近いモックアップと複数の操作フロー(一連の操作の流れを順に追う説明)のウォークスルーが揃った。
この振れ幅は、日常的にClaude Codeを使う読者にとって他人事ではない。effortは出力の質だけでなく、待ち時間という体感コストを直接動かすレバーになっている。
Shihipar氏自身は、通常のソフトウェア開発でモデルにまずインタビューさせ、低effortで実装し、それをレビューしたうえで高effortの検証を走らせるというループを、自身の運用として回していると明かしている。この配分は、effortを上げることがハードウェアやコードレビュー、セキュリティのように検証やエッジケース(まれな条件や境界的な入力)のテストが効く領域でより良い結果をもたらした、という観察とも整合する。実装の初稿は間違っていてもレビューで直せるが、検証の見落としは後工程に進むほど発覚が遅れ、取り返すコストが膨らむ。
これはShihipar氏自身が用意した実験例であり、あらゆるタスクに一般化できる保証まで示しているわけではない。それでも一つの配分の考え方として参考になる。Shihipar氏の例では、作業を全部低effortで済ませれば検証漏れのリスクを負い、全部最大effortで走らせれば67分・28分級の待ち時間が工程ごとに積み上がる。処理が数十分に伸びる設定は、利用者が結果を待つ前提を作業フローに組み込むことを要求する。要件整理や仕様の詰めを口頭で済ませて記録に残さないまま長時間の実行に入ると、あとで何を指示したか思い出せなくなる場面も出てくる。指示内容を録音しておき、あとからメモリスのようなAIボイスメモに渡せば、録音後にAIが文字起こし・要約するので、高effortの実行を待つ間に仕様の記録が手元に残る。




