
- OpenAIがChatGPTのデフォルトモデルを有料版「Sol」・無料版「Luna」に刷新すると発表した
- 無料版は来週から文字チャットが無制限に。ただし不正利用対策の制限は別途残る
- 『最速』と『深い推論』を1モデルに統合し、思考時間はスライダーで選ぶ設計になった
「ChatGPTの無料版は、使い込むとすぐ制限に当たる」。そう感じてきた人は多いはずだ。無料アカウントで長めの相談や資料の読み込みを続けると、しばらくで応答が止まり、数時間後の解除を待つ画面が出る。この前提が、来週から変わる。
ITmedia NEWSの報道によると、米OpenAIは8月6日(現地時間)、ChatGPTのデフォルトモデルを有料版と無料版でそれぞれ刷新すると発表したという。有料プランのPlusとProは同日から「GPT-5.6 Sol」に、無料版と低価格プラン「ChatGPT Go」は今週中に「GPT-5.6 Luna」に切り替わる。名前が変わるだけなら見出しにする話ではない。効くのはその先で、無料版とGoは来週から文字チャットが無制限になる(不正利用対策の制限は別途残るという)。
議事録の下書きを何度も直させたり、長い会議メモを貼り付けて要点を聞き直したりする使い方は、無料アカウントでは特に途中で止まりやすかった。その天井が来週から外れる。
もう一つの変更は、地味だが実務に効く。これまでのChatGPTは「速いが浅い」モデルと「遅いが深い」モデルを、用途に応じてユーザー自身が選び直す必要があった。GPT-5.6 Solはこの両方を1つのモデルに統合し、Web・モバイル・デスクトップアプリに「どれだけ思考時間をかけるか」を選ぶスライダーを新設した。モデル名を意識せず、必要な分だけ深く考えさせる設計だ。無料版のLunaにも、難しい質問により長く推論させる「Think」ボタンが加わる。ファイルのアップロードや画像生成にはまだ上限が残るが、テキストでのやり取りに限れば、有料版との体験差はこれまでより縮む。
精度についても数字が出ている。OpenAIは金融・医療・法律分野で事実関係の詳細を要する質問を使った社内評価で、少なくとも1つの事実誤認を含む応答の割合が旧モデル「GPT-5.5 Instant」と比べてSolで約68%、Lunaで約62%減ったとしている。ただしこれはOpenAI自身の内部評価であり、第三者による再現検証はまだない。会議の決定事項や数値をAIに整理させる場面では事実誤認の少なさが体感の差になりやすいだけに、数字を鵜呑みにせず自分の使い方で確かめる価値はある。
なお、この更新はChatGPTのチャット機能に限られる。企業向けの「ChatGPT Work」や開発者向けの「Codex」で動くGPT-5.6 Solは今回の対象外だ。仕事でChatGPT Workを使っている人は、この変更の恩恵をまだ受けられない。
無料版のChatGPTを「回数制限がある試用版」として扱ってきた人は、来週以降は評価をやり直したほうがいい。文字ベースの相談・要約・下書きに限れば、有料プランへ乗り換える理由の一つ(利用回数の制限)が消えるからだ。逆に言えば、有料プランに残る理由は画像生成・ファイル処理・Work版の機能へと絞られていく。
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