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2026年08月05日 19:30

AI議事録の不安1位は「情報漏えい」42.8%、同意の徹底は22.7%止まり

執筆: Takumi(Memolith開発者)
メモリスメモリスによる要約
  • 利用率69.4%に対し同意取得の徹底は22.7%止まり
  • 不安の中心は精度でなく情報漏えい・同意42.8%
  • 同意の定型化と保存期間の明示が実務の急所

会議にAIを立ち会わせることは、もう珍しくない。合同会社MiraLabが実施した800人規模の調査によれば、業務の会議・商談でAI議事録・AI文字起こしツールを現在利用しているのは69.4%にのぼる(調査結果の詳細)。ここまでは、体感と一致する数字だろう。

意外なのはその先だ。利用時に不安を感じる点として最も多く挙げられたのは「文字起こし精度」ではなく、「情報漏えい・セキュリティ」(42.8%)だった。「個人情報・機密情報の取り扱い」(35.6%)、「録音・文字起こしへの参加者同意」(31.5%)を合わせると、いずれかに不安を感じる人は69.0%に達する。ツール選びの重視条件では「文字起こし精度」(53.2%)が1位に返り咲くが、「セキュリティ・情報管理体制」(44.5%)は2位で、料金(24.6%)より上に位置している。不安の1位と選定基準の1位がずれているという事実は、精度の不安は「使い続けるかどうか」の話であり、セキュリティの不安は「使い方をどう変えるべきか」の話であることを示している。

そして、その「使い方」がまだ整っていない。録音・文字起こしの参加者同意を「毎回、事前に取っている」のは22.7%にとどまり、ツール利用者ベースで見ても27.0%にすぎない。明示的な同意を取っていない層は利用者ベースで37.2%に上る。勤務先で利用ルールが「明確に整備されている」のも18.6%と低く、利用率69.4%との差はそのまま、現場判断で運用が進んでいる領域の広さを示す。社内会議(58.9%)だけでなく、顧客との打ち合わせ(40.2%)や商談・営業会議(36.0%)といった社外が関わる場面での利用ニーズも4割前後に達しており、同意の空白は社内の話にとどまらない。

同意は「毎回口頭で確認する」運用から、カレンダー招待や会議冒頭の定型アナウンスに組み込む運用へ切り替えるべきだ。理由は単純で、口頭確認は担当者の記憶と裁量に依存するため、22.7%という数字が示す通り継続的な実施を期待できない。会議招集の時点で「本会議はAIで録音・記録します」という一文をテンプレート化しておけば、同意取得を個人の判断から仕組みの側に移せる。とくに社外の相手が関わる会議では、参加者同意の有無がそのままトラブルや信頼低下のリスクに直結するため、社内会議より優先して定型化する価値がある。

もう一つ手を打つべきは、ツール選定時に「保存期間・削除ルールの明確さ」を確認項目として先に立てることだ。クラウド保存や外部サービス連携に「抵抗がある」人は37.1%で、「抵抗はない」派(33.6%)をわずかに上回る。会議の音声には取引条件や個人情報が含まれやすく、この抵抗感は根拠のない不安ではない。調査でも「データ保存期間・保存場所の明確さ」はツール選定の重視条件で4位に入っており、料金や操作性より優先度が高い。つまり、精度の比較に時間をかける前に、録音データがいつ・どこで消えるのかを確認する方が、実務上は先に片づけるべき論点になる。

社内ルールの整備を待つ姿勢のままでは、22.7%という数字は当面変わらない。同意の定型化と保存期間の確認は、ルールが降りてくるのを待たずに、会議を主催する側が自分の運用として先に始められる対策である。

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