コーチングセッションの振り返り方|録音で話し方を改善
コーチングセッションの振り返りは、終わった直後の印象だけに頼ると「良かった気がする」で終わりがちです。セッションを録音して聞き返すと、自分の質問の質・相槌・沈黙の待ち方など、クライアントの発話を引き出せていたかが具体的に見えてきます。AIに録音を通せば、要点整理も数分で終わります。
コーチングセッションが終わったあと、「今日はいいセッションになった気がする」となんとなく満足して終えていないでしょうか。逆に、クライアントの反応が薄かった回ほど、何が原因だったのか自分でもうまく説明できない。そんな経験を持つコーチ・コンサルタントは少なくないはずです。
「コーチング セッション 振り返り」「コーチング 記録」と検索する人の多くは、感覚的な手応え以上の具体的な改善点を探しているのだと思います。ただ、セッション中は目の前のクライアントに集中する必要があるため、自分がどんな質問をし、どんな相槌を打ち、どこで沈黙を使ったかまで覚えている人はほとんどいません。
この記事では、コーチングセッションの振り返りを「なんとなくの手応え」で終わらせず、次のセッションでの話し方・進め方の改善につなげる具体的な方法を解説します。
なぜコーチングの振り返りは感覚頼りになりやすいのか
コーチングはクライアントとの対話そのものが商品です。だからこそ、自分の話し方や聞き方を振り返る必要があるのですが、これがなかなか難しい理由があります。
セッション中は「聞く」「考える」で手一杯
コーチングでは、クライアントの発言を聞きながら次の質問を組み立て、相手の感情の動きにも注意を払う必要があります。この状態で、自分自身の発話(質問の言い回し・相槌のタイミング・沈黙の長さ)まで客観的に観察するのは、ほぼ不可能です。セッションが終わった時点で残っているのは「うまく話せた気がする」という漠然とした印象だけになりがちです。
クライアントの発言は覚えていても、自分の発言は覚えていない
セッション後に思い出せるのは、多くの場合クライアントが話した内容の方です。自分がどんな質問でその発言を引き出したのか、逆にどこで誘導的な質問をしてしまったのかは、記憶からすぐに抜け落ちます。しかしコーチとしてのスキルを磨くうえで本当に振り返るべきは、まさにこの「自分がどう質問し、どう聞いたか」の部分です。
沈黙の使い方は特に記憶に残らない
コーチングでは、クライアントが考え込んでいる沈黙をどれだけ待てるかが重要です。ところが、この沈黙にコーチ自身が耐えられず、つい助け船を出すような質問を挟んでしまうことがあります。この「沈黙に耐えられなかった瞬間」は、セッション後の記憶にはまず残りません。
コーチングセッションを振り返るときに見るべき3つのポイント
感覚的な振り返りから抜け出すために、次の3点に絞って確認するようにしています。
1. オープンクエスチョンになっていたか
「〜だと思いませんか」のような誘導的な聞き方になっていないか、クライアントが自分の言葉で考えを広げられるオープンな質問ができていたかを確認します。セッションの中でクライアントの発言が長く続いた質問と、短い返答で終わった質問を比べると、質問の質の差が見えてきます。
2. 自分の発話時間が長くなっていないか
コーチが話す時間が長くなるほど、クライアントが自分の考えを言葉にする機会は減ります。特に、クライアントが答えに詰まった場面で、コーチが説明や提案を重ねて場をつないでしまっていないかは、振り返るべき重要なポイントです。
3. 沈黙をどれだけ待てたか
クライアントが黙って考えているとき、コーチがその沈黙に耐えられず言葉を足していないか。逆に、クライアントが話し始めようとした瞬間に質問を重ねてしまい、せっかくの言葉を遮っていないか。この「間の取り方」は、コーチングの質を大きく左右する要素です。
記憶だけに頼らず、録音で振り返る
ここまでの3点は、いずれもセッション中のやり取りそのものを見る必要があり、終わった後の印象だけでは再現できません。そこでおすすめなのが、セッションを録音しておき、振り返りの際に実際のやり取りを聞き直す方法です。
やり方は単純です。セッションの冒頭でクライアントに録音の目的(スキル向上・振り返り用途であること)を伝えて許可を得たうえで、スマホで録音を回します。セッションが終わったら、自分の質問の言い回しと、クライアントが黙った直後に自分がどう振る舞ったかを中心に聞き返します。声のトーンや間の長さまで含めて聞き直すと、メモやその場の記憶だけでは気づかなかった自分の癖が見えてきます。
なお、コーチングセッションはクライアントのプライベートな内容に踏み込むことも多いため、録音してよいかは必ず事前に確認してください。録音データは自分(またはスーパービジョン等の限られた範囲)の振り返り用にとどめ、無断で第三者に共有・公開しないことが大前提です。
【実体験】録音を聞き返して気づいた自分の癖
以前、あるセッションで「今日はあまり深い話にならなかったな」と感じたまま終えたことがありました。録音を聞き返すと、原因がはっきり分かりました。クライアントが答えに詰まって黙った瞬間、私はわずか2、3秒で「たとえば〜という考え方もありますが、どうですか」と助け船を出すような質問を重ねていたのです。クライアント自身が考えを言葉にするより先に、私が選択肢を提示してしまっていました。
セッション後の印象だけでは「今日はテンポが悪かった」としか感じていませんでしたが、録音を聞き直して初めて、自分が沈黙に耐えられず先回りしてしまう癖があることに気づきました。次のセッションでは、クライアントが黙った後に自分の中で5秒数えるようにしたところ、クライアントが自分の言葉で考えを広げる場面が明らかに増えました。
とはいえ、セッションのたびに録音を全部聞き直す時間を確保するのは簡単ではありません。移動中や隙間時間で振り返りを終わらせたいというのが本音でした。
そこで使っているのが、メモリス(Memolith)というスマホで録音するだけでAIが議事録を自動作成するアプリです。iOS/Android対応で、専用のレコーダーは不要。セッションの録音をそのままアプリに渡すと、要約議事録の下書きに加えて、コーチング機能(話し方・進め方を振り返る材料を提示してくれる機能)や認識ずれ検知(クライアントとの認識のズレを拾ってくれる機能)が使えます。全文を聞き返す時間がなくても、AIが拾った要点から「どこを聞き直すべきか」の当たりをつけられるのが助かっています。過去のセッションについてAIに質問できる「Ask Memolith」を使えば、「あのクライアントとの回でどんな目標を話していたか」を後から引き出すこともできます。
録音から議事録が仕上がるまでは、録音が終わったあとにAIが処理する流れで、数分ほどで下書きが完成します。セッション中にその場でテキスト化されるわけではないので、振り返りはセッションが終わったあとにまとめて行う形になります。料金は無料トライアル(登録後3回まで+Ask Memolith)から試せて、続けるならエリート830円/月(月20回)、セッション数が多いならエグゼクティブ1,380円/月(月50回)です。
まとめ
コーチングセッションの振り返りは、終わった直後の感覚だけに頼ると、次に活かせる具体的な改善点が残りません。
- 振り返りは「クライアントの発言内容」だけでなく「自分の質問・相槌・沈黙の使い方」を見る
- オープンクエスチョンになっていたか・自分が話しすぎていないか・沈黙をどれだけ待てたかの3点を確認する
- 記憶はセッション後の印象に引きずられやすいので、可能なら録音を聞き直す
- 録音はクライアントの許可を得たうえで行い、無断で共有・公開しない
セッションの録音を振り返りに使いたい方は、まずは無料トライアルで1回のセッションを録音し、AIが拾った要点から振り返ってみてください。記憶だけでは見えなかった自分の癖に気づけるはずです。
あわせて読みたい:
よくある質問
コーチングセッションはどうやって振り返ればいいですか?
『クライアントが話した内容』だけでなく『自分がどう質問し、どう聞いたか』を振り返るのがポイントです。記憶だけで振り返ると自分の印象が優先されがちなので、可能であれば録音を聞き直し、自分の発話量や沈黙の使い方を客観的に確認するのがおすすめです。
コーチングセッションを録音してもいいですか?
クライアントの同意があれば問題ありません。セッションの冒頭で振り返り・スキル向上の目的で録音したい旨を伝え、了承を得たうえで行ってください。録音データは自分の振り返り用にとどめ、無断で共有・公開しないことが大前提です。
セッションの振り返りにAIは使えますか?
録音をAIに通せば、セッションの要約や話した内容の整理を短時間で作れます。メモリスのようなアプリは、要約に加えて話し方を振り返る材料も提示するため、記憶だけに頼るより具体的な改善点が見つかりやすくなります。ただしクライアントの許可を得て録音することが前提です。
議事録AIを試してみませんか?
難しい設定は不要です。いつもの会議で、録音ボタンを押すだけ。面倒な議事録作成から解放されましょう。
iOS / Android 対応