
- dotsはクラウド上で24時間365日動く常時稼働エージェント
- 4,000以上のアプリに接続しSlackやTeamsで返信、設定はデスクトップかWebのみ
- 最初は権限を絞り、定期業務に渡す材料を整えるのが現実的
OpenAIが、クラウド上のコンピュータから24時間365日働き続ける常時稼働エージェント「dots」を発表した。 AI関連のニュースレターThe Rundown AIは、Metaの「Muse」のようなエージェントとして紹介している。 ただし同記事はOpenAI自身の一次情報ではなく、ここで書く内容もこの記事に基づく。
dotsとはどんなものか
発表の場は開発者向けイベントDevDayで、20以上の機能発表の目玉という位置づけだった。 同じ場でGPT-6.1 Sol、チーム共有ワークスペース、Ultrafastモードも発表されている。 OpenAIのDevDay 2026まとめページにも、20以上の発表があったと書かれている。
一つひとつのdotは4,000以上のアプリに接続でき、Slack、Teams、ChatGPTで返信する。 dotとのやり取りはChatGPTの利用枠に数えられない。 動作するのはGPT-6 Astraというモデルで、最初のdotはProとBusiness Premiumのプランに含まれる。 提供範囲は後から広げるとされ、現在は有料のProとBusiness Premiumのユーザー向けに順次提供中だ。 設定はChatGPTのデスクトップアプリかWeb版で行い、モバイルではdotを作成できない。
Metaも、バックグラウンドで動いて中小企業の目標達成を支援するMuse for Small Businessを提供開始している。 常時稼働型は、各社が並んで出してきた新しい形だ。
仕事の進め方はどう変わり得るか
これまでのチャットAIは、人が質問した時間にだけ働いた。 dotは人が席を離れている間もクラウド側で動き続ける。 The Rundown AIは、一度限りのブリーフ(要点をまとめた報告)が期待どおりに通ったら、平日朝8:30の定期ブリーフを頼む使い方を紹介している。 これはOpenAI公式の手順ではなく、ニュースレター独自のガイドだ。
また、ChatGPT SpaceとPagesによって、チームメンバーとそのdotが共有ハブと共同編集ドキュメントを使える。 @ChatGPTはSlackやTeamsのスレッド内でも応答する。 つまり、チームの会話が流れている場所にAIが常駐する形になる。
The Rundown AIは、dotsはGrok Botによく似ていると論評したうえで、最先端モデルを使える点が強みだとみている。 この評価はニュースレター側のもので、客観的な優劣とは限らない。
任せる範囲は、確認付きの小さな仕事から広げる
結論から言うと、最初のdotは権限を絞り、実行前に確認を挟む設定で始めるのが妥当だ。 常時稼働のエージェントは、人が見ていない間にも動く。 誤った判断をしても、止めに入る人がいない時間帯が生まれる。 The Rundown AIのガイドも、最初のテストではローカルコンピュータへのアクセスをオフにし、実行前に確認する「Ask」設定にするよう勧めている。 これもOpenAI公式の推奨ではないが、考え方としては筋が通っている。 一度のブリーフで出力の質を確かめ、問題なければ定期実行へ進む順序なら、失敗の影響を小さく保てる。
二つ目の結論は、エージェントの性能より先に、渡す材料の整備が成果を左右するということだ。 朝のブリーフがどれだけ賢くても、元になる情報が担当者の頭の中や、聞き返せない会議の音声に閉じていれば、要約の対象にならない。 4,000以上のアプリにつながるといっても、つながる先に文字の記録がなければ読めないからだ。 会議の決定事項、依頼された作業、期限といった情報は、テキストとして残す習慣を先に作っておきたい。
録音を後からテキストにする手段として、メモリス(AIボイスメモ)がある。 会議や思いつきを録音してアプリに渡すと、録音後にAIが文字起こしと要約を行い、数分で結果が届く。 そのテキストを共有の場所に置いておけば、dotのような常時稼働エージェントが参照できる材料になる。 音声をテキスト化する部分の考え方は、AIエージェントとの連携を打ち出したNotta Memo Proの記事も参考になる。 エージェントが実際の手続きまで担う方向は、Amazonの購入代行AIでも進んでいる。
dotは、有料プランの利用者から順に試される段階にある。 自分の仕事のうち、毎朝同じ形で繰り返している確認作業を一つ選び、確認付きの設定で任せる。 同時に、そのために必要な情報が文字で残っているかを点検する。 この二つから始めれば、提供範囲が広がったときにも慌てずに済む。




