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2026年09月05日 07:40

Gemini、音楽生成AI「Lyria 3.5」搭載

執筆: Takumi(Memolith開発者)
メモリスメモリスによる要約
  • GoogleがLyria 3.5をGeminiアプリとAPIで2026年9月4日に世界公開した
  • ジャンル選択やテンプレート、曲の長さ選択など操作面の機能が加わった
  • Google Flow MusicやAI Studio、Vidsでも同モデルが使える

Googleは2026年9月4日、音楽生成モデル「Lyria 3.5」をGeminiアプリとGemini APIで利用できるようにしたと公式ブログで発表した。ジャンルの選択や記述、ボーカルかインストゥルメンタル(歌なしの演奏のみ)かの選択に加え、曲の長さも選べるようになり、背景音楽やカスタムの誕生日ソングを作るためのテンプレートも用意された。Lyria 3.5はウェブとモバイルアプリの両方で、世界中のユーザーに向けて公開されている。

Googleは、より表現力のあるボーカルと豊かな楽曲アレンジによって、より高い忠実度でトラックを作れるようになったと説明している。同じモデルは、アーティストやAIクリエイター向けのGoogle Flow Music、開発者向けのGoogle AI Studioでも使えるようになっている。

この配布の仕方が示しているのは、音楽生成が一部のクリエイター向けの専門ツールから、日常的に使うチャットアプリの一機能へと降りてきたという変化である。プレゼン資料に添えるBGM、社内向け動画のオープニング曲、誕生日メッセージの一曲を、Geminiで文章を書くのと同じ画面で作れるようになった意味は小さくない。

この機能追加が本当に狙っているのは、プロの作曲家ではなく、業務の合間に素材となる曲を必要とする非専門職ではないかとみるのが自然だ。根拠は配り方にある。用意されたテンプレートが挙げているのは背景音楽と誕生日ソングという日常的な用途であり、しかもLyria 3.5は最初から世界中の全ユーザーに公開されている。契約者や開発者だけに限定せず、選ぶだけで曲ができるテンプレートとセットで全面公開した点は、想定する主な使い手がプロの作曲家よりも、動画に添える一曲を自分で選びたい一般利用者に近いことを示している。Lyria 3.5は文書を動画に変換するGoogle Vidsでも利用できるようになっており、素材としての音楽という位置づけを補強している。

もっとも、ジャンルを選んでテンプレートから曲を作れるようになったからといって、意図した雰囲気の曲が一発で仕上がるとは限らない。生成AIによる創作全般に共通する構造として、プロンプトから受け取る結果と頭の中にあるイメージとの間には、たいてい何度かの言い直しが必要になる。この点は音楽生成に限った話ではなく、文章や画像の生成でも繰り返されてきた経験則であり、Lyria 3.5だけがそれを免れているとは考えにくい。

それでも、この機能追加の価値は損なわれない。プレゼンの締めに流すBGMや社内向け動画の冒頭曲は、聴き手の耳を止めるほどの完成度を求められておらず、変でなければ十分という水準で用が足りる場面が大半だからだ。プロダクトの利用率を左右するのは機能そのものの有無より、最初の一歩をどれだけ迷わず踏み出せるかであり、Googleがジャンルの選択肢と用途別のテンプレートを最初から用意した設計は、その最初の一歩を極端に短くする狙いだと見える。空白のプロンプト欄を前に何を書けばよいか迷う利用者の方が、選択肢から選ぶ利用者よりずっと多いはずで、テンプレートの充実はその差を埋めるための実務的な判断だろう。

AIが曲を作れるようになった一方で、仕事の中で交わされる言葉そのものは、依然として人が録音し、あとから形にする必要がある。会議やちょっとした思いつきを録音しておき、メモリスのようなAIボイスメモに渡せば、録音後にAIが文字起こしと要約を仕上げてくれる。音声を作る側にAIが入り込む一方で、音声を記録して活用する側でもAIの役割は広がり続けている。

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