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2026年08月10日 12:30

Claude CodeでGPT-5.6使用、凍結騒動の顛末

執筆: Takumi(Memolith開発者)
メモリスメモリスによる要約
  • 非公式ハーネス改造でGPT-5.6を使ったユーザーのAnthropicアカウントが凍結された
  • OpenAI開発者は事前の宣言通りCodex・ChatGPT Work全有料ユーザーの上限をリセット
  • 業務の要となるAIツールは単一ベンダー依存を避け、非公式連携は規約リスクを見極めてから使うべき

Anthropic製のコーディングツール「Claude Code」の内部で、OpenAIの「GPT-5.6 Sol」モデルを動かす。一見ただの小技に見えるこのハックが、8月に入って思わぬ形で決着した。

発端は7月12日にさかのぼる。OpenAIの開発者Tibo氏がX(旧Twitter)で、CLIProxyAPIを使ってClaude Code上からGPT-5.6 Solを呼び出す手順を公開した。投稿の末尾には「これがブロックされたらリセットを保証するよ」という一文が添えられていた。

その約1カ月後の8月8日、この手順を実際に試したユーザーのalex getman氏が、GPT-5.6 Lunaを使おうとしたところでAnthropicのアカウントを凍結されたと報告した。Tibo氏は「自分はAnthropicの社員ではないので凍結は解除できない」としつつ、自らの宣言どおりCodexとChatGPT Workの全有料ユーザーを対象に使用上限をリセットした(PC Watchの報道)。

事態はここで終わらなかった。Claude Codeの開発に携わるAnthropicのBoris Cherny氏がこのやり取りに反応し、「ハーネスで別のモデルを使ったこと自体でアカウントを停止すべきではない」として調査に乗り出した。原因は不正利用対策の「アカウント分離器」が誤って反応したことにあるとみられ、getman氏のアカウントは最終的に凍結解除され、一連の騒動は円満に収まっている。

会議記録や資料作成にAIを使う仕事のやり方は、もはや単一ツールでは完結しない。Claude CodeでコードやドキュメントをまとめつつChatGPTで下調べをする、といった複数のAIサービスを一つの作業の中で行き来する運用は、開発者に限らずすでに日常の一部になっている。今回の一件は、その併用スタイルの裏側にある規約リスクを可視化した。

業務のクリティカルパスに単一ベンダーのAIアカウントを置くのは避けたほうがいい。 今回、凍結が解けたのはCherny氏という開発者本人がたまたまタイムライン上でやり取りに気づき、個別に調査を買って出たからだ。ベンダーが定めた正式な異議申し立てプロセスを経て機械的に解除されたわけではない。日常的に使っているAIアカウントが規約解釈のグレーゾーンで止まったとき、同じ幸運が再現される保証はどこにもない。議事録や進行中のプロジェクト資料の管理をひとつのAIサービスだけに委ねていると、こうした偶発的な停止がそのまま業務停止に直結する。作業の記録や成果物は、特定のAIツールのアカウント状態に依存しない場所(ローカル保存やクラウドストレージなど)に定期的に退避しておく発想が要る。

非公式な連携ハックを業務フローに組み込む前に、規約と検知リスクを先に確認すべきだ。 CLIProxyAPIのようなサードパーティ経由で別ベンダーのハーネスにモデルを被せる手法は、機能的に動作していても、各社が不正利用対策として仕込んでいる「アカウント分離器」のような検知機構に引っかかる可能性がある。今回はそれが原因だったと推測されている。個人の実験や検証で使う分にはリスクは自己完結するが、それを日々の会議準備や成果物作成といった止められない業務の一部に組み込んでしまうと、検知の誤爆一つで作業そのものが止まる。便利さに惹かれて非公式な組み合わせを常用の仕組みに格上げする前に、まずは各社の利用規約でその使い方が明示的に許容されているかを確認する手順を、ワークフローの設計段階に入れておく価値がある。

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