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2026年08月31日 10:00

メモリス、文字起こしエンジンをGPT Transcribeに更新

執筆: Takumi(Memolith開発者)
メモリスメモリスによる要約
  • メモリスは文字起こしエンジンをGPT-4o TranscribeからGPT Transcribeへ更新した
  • OpenAI公式情報によると精度区分は上位モデルより1段階高く格付けされている
  • 固有名詞のキーワード指定や複数言語の同時指定に新たに対応し多言語利用者にも効く

メモリスは2026年8月31日、文字起こしエンジンをこれまでの「GPT-4o Transcribe」から、OpenAIが新しく公開した「GPT Transcribe」へ切り替えた。バックエンドの更新であり、アプリの使い方自体は変わらない。録音してメモリスに渡せば、これまでと同じ手順で文字起こしと要約が数分後に届く。

GPT Transcribeは、OpenAIが2026年7月28日に公開した文字起こし専用モデルで、録音済み音声のバッチ処理に特化した設計になっている(同時に公開された低遅延のライブ字幕向けモデル「GPT Live Transcribe」については別記事で詳しく扱った)。では、これまで使っていたGPT-4o Transcribeと比べて、具体的に何が変わったのか。OpenAIの公式モデルページを確認すると、いくつかの違いが見えてくる。

まず精度の位置づけである。OpenAIは自社モデルの性能を独自の等級で分類しており、GPT-4o Transcribeが「Higher(上位)」であるのに対し、GPT Transcribeは最上位を示す「Highest」に格付けされている。GPT-4o Transcribe自体、従来のWhisper系モデルより誤認識率が低く高精度だと説明されていたモデルなので、その一段上に位置づけられたことになる。

次に、新しく加わった機能がある。OpenAIの公式ドキュメントによれば、GPT Transcribeは音声の文脈を渡す「コンテキスト」に加えて、固有名詞や専門用語を個別に指定できる「キーワードヒント」と、複数の言語を同時に指定できる「言語ヒント」に対応した。後者は、話者が文の途中で言語を切り替える「コードスイッチング」の認識向上を狙った機能だと説明されている。GPT-4o Transcribeの公式ページにはこの2つの機能への言及がなく、GPT Transcribeで新たに整備された仕組みだと見てよい。

料金体系も変わった。GPT-4o Transcribeは音声を一定単位のトークンに換算して課金する方式(入力100万トークンあたり2.5ドル、出力100万トークンあたり10ドル)だったのに対し、GPT Transcribeは音声1分あたり0.0045ドルというシンプルな従量制に切り替わっている。

会議の録音を日常的に扱う読者にとって関係が深いのは、キーワードヒントと言語ヒントの2つだろう。会議には社名・製品名・人名といった、汎用の音声認識モデルが誤認識しやすい固有名詞が頻出する。キーワードとして事前に渡せる仕組みがモデル側に用意されたことは、そうした固有名詞の認識精度を底上げする方向に働くはずだ。メモリスはもともと利用者がよく使う単語をアプリ側で学習し、認識精度を継続的に高めていく設計を持っている。エンジン側にキーワード指定の受け皿が整ったことで、この学習の効果がより素直に反映されやすくなったと考えられる。

もう一つの言語ヒントは、日本語と英語が混ざる打ち合わせのように、1つの音声の中で言語が切り替わる場面に効いてくる。海外拠点とのミーティングや、外国語を交えた商談は珍しくない。メモリスは19カ国語の文字起こしに対応しているが、対応言語が多いことと、言語が混在する1本の音声を正確に聞き分けられることは別の課題である。コードスイッチングへの対応強化は、そうした多言語環境で録音する利用者にとって、地味だが実利の大きい改善になる。

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