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2026年08月21日 07:05

Slack Code登場、AIエージェントと協働へ

執筆: Takumi(Memolith開発者)
メモリスメモリスによる要約
  • Slackが新機能「Slack Code」発表、AIエージェント専用の「コードチャネル」で協働できる
  • 承認ゲートと監査ログで非エンジニアもタスクの起点になれる設計
  • TeamsのAI連携も追随、業務チャットがエージェント実行の場になる

米Salesforce傘下のSlackは8月20日(現地時間)、AIコーディングエージェントとチームで協働するための新機能「Slack Code」を発表した。

同日から提供を開始しており、すべてのSlackプランで利用できる。

ただし各エージェントを使うには、それぞれの提供元との契約やサブスクリプションが別途必要になる。

中核になるのは「コードチャネル」と呼ぶ専用スペースだ。

特定のタスクのためだけに自動生成される会話部屋で、会話・作業計画・コードの変更点(差分)・動作中の画面プレビューがタブとして並ぶ。

会話中にコーディングエージェントにメンションすると、そのタスク専用のコードチャネルが自動で立ち上がる。

チームメンバーはそこに参加し、エージェントの作業を見ながらフィードバックしたり、途中で止めたりできる。

本番環境へのコードの反映など重要な操作は、チャネル内で人間の承認を経る仕組みになっている。

作業が終わるとチャネルは自動でアーカイブされるが、後から検索できる記録として残る。

外部エージェントとしては、AnthropicのClaude、CognitionのDevin、GitHubのGitHub Copilot、Vercelのエージェントに対応し、OpenAIのChatGPTも近く対応予定という(Slack公式ブログSalesforceの発表)。

このニュースは、直接コードを書かない読者にも意味がある。

Slackが紹介した事例では、プロダクトマネジャー(PM)がチャネル内でバグ報告を見つけた際、エンジニアを待たずにエージェントへ修正を依頼している。

既に共有されていた会話やスクリーンショットを踏まえた修正案が提示され、エンジニアが差分とプレビューを確認して承認する、という流れだ。

つまりSlack Codeが変えているのは「誰がコードを書くか」だけではなく、「誰が作業を発注できるか」でもある。

これまでコーディングエージェントへの指示は、専用のIDE(コードを書くための開発環境)やターミナルを扱えるエンジニアの持ち物だった。

それが業務チャットの発言一つで起動できるようになれば、会議で見つかった不具合や改善案が、担当者を探して依頼するまでのタイムラグを経ずにその場でタスク化される。

Slackは自社利用の実績として、コードチャネルの70%以上がアイデアからプルリクエスト(コードの変更をレビューし取り込んでもらうための提案)のマージまで1日以内に完結していると説明している。

まず着目すべきは、この仕組みが機能するための前提として、権限管理と承認フローがセットで組み込まれている点だ。

エージェントはSlack既存の権限管理や管理者設定をそのまま引き継ぎ、本番環境へのコードのプッシュのような重要な操作にはチャネル内での人間の承認が必須になっている。

PMのような非エンジニアが起点になれるのは、この承認ゲートと、あとから検索できる監査ログが担保になっているからだ。

逆に言えば、承認権限を誰に与えるかの設計を怠ったまま導入すれば、レビューを素通りしたコードが本番に近づくリスクも同時に持ち込むことになる。

現場でSlack Codeのようなツールを検討するなら、まず着手すべきは機能の試用ではなく、どの操作にどのレベルの承認を要求するかという権限設計のほうだ。

もう一つ、このニュースが浮かび上がらせているのは、業務チャットそのものがAIエージェントの実行場所として争奪の対象になっているという構図だ。

SlackでコーディングエージェントをメンションしてGitHubにプルリクエストを作らせる連携自体には、AnysphereのCursorが2025年から、OpenAIのCodexも同様に提供してきた先行例がある。

Slack Codeは、こうした個別のツールごとの連携を、複数社のエージェントを同じ専用チャネルで扱える共通の枠組みに置き換えた形だ。

Microsoftも2026年6月のMicrosoft Build 2026で、TeamsのチャットやチャネルからGitHub CopilotやCursor、Linear、AtlassianのRovoなどを会話の文脈ごと動かす仕組みを発表している。

SlackとTeamsという2大業務チャットが、同じ方向で機能を競い始めているということだ。

この競争が意味するのは、AIエージェントに何を任せるかという選択の前に、会話・ドキュメント・過去のやり取りといった文脈をどのチャットツールに集約しておくかという選択が先に来る、ということだ。

複数のチャットツールを併用している組織ほど、エージェントが参照できる文脈が分散し、Slack Codeのような機能の恩恵を受けにくくなる。

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