
- Android版Googleアプリv17.51.18の解析でGem廃止の告知文字列が発覚
- 廃止日はプレースホルダーのまま、公式発表もまだ無い
- 移行先は「スキル」、コード上の証拠と公式発表の間には距離がある
「Gemini「Gem」廃止へ」という噂は、2026年6月ごろから海外メディアの間で断続的に流れていた。今回、そこに具体的な裏付けが加わった。
「Gem」は、Geminiにあらかじめ役割やカスタム指示を登録しておき、必要なときに呼び出して使う機能である。Android版「Google」アプリのバージョンv17.51.18(2026年8月20日配信)を解析したガジェット情報サイト「Jetstream」によると、このアップデートには「Gem」廃止を告知するUI文字列が新たに追加されていたという。「Gem は[日付]に提供を終了します」という通知バナーの文言や、「ワークフローを継続するには、Gem のコンテンツを保存するか、スキルとして再作成してください」という移行案内の文言が、アプリのリソースコード内に見つかった。「スキル」はGeminiの別機能で、同様にカスタム指示を保存できるが実装が異なる。
ただし、この[日付]の部分は実装上プレースホルダー(実行時に差し込まれる可変部分)のままで、具体的な廃止日はこの解析からは判明していない。Googleからの公式発表もまだ出ていない。Jetstream自身も「本当に廃止される模様です」と、断定ではなく推定の書きぶりにとどめている。
会議のたびに同じロールプレイを頼んでいる、決まった形式の要約を毎回作らせている。そういう使い方をGemでしている人にとって、これは他人事ではない。保存した指示がある日突然呼び出せなくなる可能性が、コードの上では見えてきたということだ。
この件を読むうえで、押さえておきたい論点が二つある。
一つは、アプリのリソースコードという証拠の性質だ。バナー文言や移行案内が実装されているのは、単なる噂より一段階強い材料である。少なくとも社内では廃止を前提とした画面設計が進んでいる、という事実は読み取れる。とはいえアプリ解析の世界では、リリース候補版に文字列だけ先行して追加され、実際には日の目を見ないまま消えていく機能も珍しくない。日付が確定していない今回のケースは、まさに「実装は進んでいるが、実施は確定していない」段階にある。この距離を詰めずに「廃止決定」と読み替えるのは早い。
もう一つは、Gemのようなカスタム指示保存機能そのものが抱える性質だ。便利さはプラットフォームの機能として提供されている以上、いつでも仕様変更や統合の対象になり得る。今回は「スキル」への移行手段が用意されているとはいえ、機能名やUIが変わる以上、慣れ直しのコストは発生する。公式発表を待ってから動くのではなく、Gemに登録している指示の中身は、いま手元のメモにも書き出しておく方が安全だろう。
会議やヒアリングの内容をAIに要約させる作業も、同じ理屈が当てはまる。作業の型をどこかのAI機能に預けきってしまうと、その機能の都合で作業のやり方ごと変わってしまう。メモリスは録音した音声をAIに渡して処理させ、そこから生まれる文字起こし・要約というテキストを手元の記録として残す設計にしている(音声データそのものはAI処理が終わると自動で削除される)。作業の成果を自分の手元に置いておける形にしておく発想は、Gemの一件のような話が起きるたびに効いてくる。
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