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2026年01月25日

コンサル流「価値ある議事録」の書き方|決定版テンプレートと思考法

「議事録書きで週末が潰れる」「上司に真っ赤に添削されて返ってくる」

若手コンサルタントや、企画職に就いたばかりの方が最初にぶつかる壁が「議事録(Minutes)」です。なぜ、たかが会議のメモにこれほど厳しい指摘が入るのでしょうか。

それは、コンサルティングの現場において議事録は「過去の記録」ではなく、「未来を作るための合意形成ツール」だからです。

私自身、ジュニア時代は「一字一句漏らさず書くこと」が正義だと思い込み、テープ起こしのような議事録を提出しては、「これでは読む価値がない」と突き返された苦い経験があります。

本記事では、私が実際のプロジェクト現場で叩き込まれた、「プロジェクトを推進させるためのコンサル流議事録」の書き方と、明日から使える思考法を共有します。

なぜコンサルの議事録は「発言録」ではないのか

一般的な会議メモと、コンサルの議事録(ミニッツ)の決定的な違いは、「情報の構造化」にあります。

1. 「誰が何を言ったか」より「何が決まったか」

初心者が陥りがちなのが、時系列順の発言録です。

  • Aさん:「〜〜だと思う」
  • Bさん:「いや、〜〜ではないか」

これでは、後から読み返した時に「結局どうなったの?」が分かりません。コンサル流では、プロセス(議論)よりもアウトプット(決定事項)を最優先に配置します。

2. ネクストアクション(ToDo)の明確化

会議の最大の目的は、次のアクションを決めることです。 どんなに高尚な議論をしても、「誰が(Who)」「いつまでに(Due)」「何をするか(What)」が曖昧な議事録は、プロジェクトの遅延に直結します。

【実体験】失敗から学んだ「価値ある議事録」3つの鉄則

私がマネージャーからOKをもらえるようになるまでに気づいた、重要なポイントは以下の3つです。

鉄則1:会議前に「骨子」を8割作っておく

最大の発見は、「優れた議事録は会議の前にはほぼできあがっている」という事実です。 会議が始まってから真っ白な画面に向かうのではなく、事前にアジェンダ、想定される論点、決定すべき事項の空欄を作成しておきます。

これにより、会議中は「空欄を埋めること」に集中でき、議論が脱線した際にも「今日はこの決定事項を埋める必要があります」とファシリテーションできるようになりました。

鉄則2:事実は「構造化」して記述する

ダラダラとした文章は読み手への負担です。箇条書きとインデント(字下げ)を駆使し、ロジックを可視化します。

【悪い例】 A部長より、現在のスケジュールではシステムテストの期間が短く、品質リスクがあるとの懸念が示されたため、リソースを追加して対応することになった。【良い例:構造化】

  • 決定事項:システムテスト工程への要員追加(2名)

  • 背景:現行スケジュールにおける品質担保の懸念(A部長指摘)

  • 対応策:開発ベンダーより追加要員をアサインし、工期遅延を回避する

鉄則3:曖昧さを残さない(言質を取る)

会議中、「じゃあ、その辺はいい感じに進めておいて」といった曖昧な発言が出ることがあります。 ここで思考停止せず、「いい感じとは、具体的にA案で進めるという認識で相違ないでしょうか?」と確認し、それを議事録に残すことこそが、コンサルタントの介在価値です。

すぐに使えるコンサル流議事録テンプレート

私が現在も使用している、シンプルかつ汎用性の高いテンプレートを紹介します。コピーしてMarkdown対応のメモツールやWordで使用してください。


【会議体名】議事録

日時:202X年X月X日 10:00-11:00 場所:オンライン(Zoom)参加者:(敬称略)クライアントA, B, C / 自社 D, E 作成者:自社 E

■ Summary(エグゼクティブサマリー)

  • 本会議における最重要決定事項を1〜2行で記載(忙しい決裁者はここだけ読む)
  • 例:次期CRMシステムの導入ベンダーをX社に選定することに合意。契約手続きを来週より開始する。

■ Decisions(決定事項)

  1. 論点Aに関する決定内容
  • その決定に至った主な理由・背景
  1. 論点Bに関する決定内容
  • 条件付き合意事項など

■ Next Steps(TODO)

タスク内容 担当者 期限 ステータス
見積書の修正版送付 自社D 1/30 未着手
社内稟議の申請 クライアントA 2/5 進行中

■ Discussion Log(主な議論の内容)

  • 議題1:〇〇について
  • (意見)コスト超過への懸念(クライアントB)
  • (回答)オプション機能の削減により予算内に収める(自社D)
  • 結論:オプション機能はPhase2での実装とする

■ Next Meeting(次回予定)

  • 日時:2月X日(水) 10:00〜
  • 主なアジェンダ:要件定義書のレビュー

議事録作成のスピードを上げるツール活用術

近年はAIによる文字起こしツールも進化していますが、コンサルタントとしてのアドバイスは「AIに依存しすぎない」ことです。

AIは「発言」を拾うのは得意ですが、「行間を読む」「政治的な意図を汲んで表現をマイルドにする」「重要度を判定する」ことはできません。

  • 録音・文字起こし:Zoomの録画機能や専用AIツール(tl;dv, Nottaなど)に任せる。
  • 要約・構造化:人間の脳で行う。

この役割分担を意識することで、作成時間は劇的に短縮されます。

まとめ:議事録は最大の「自己アピール」である

たかが議事録、されど議事録。 精度の高い議事録を書けるようになると、以下のメリットがあります。

  1. 会議の支配権を握れる(決定事項を定義するのは議事録作成者であるため)
  2. 論理的思考力が鍛えられる
  3. クライアントや上司からの信頼を早期に獲得できる

「書かされている」という受け身の姿勢から脱却し、「プロジェクトをコントロールするために書く」という意識に変えるだけで、あなたの議事録の質は劇的に変わります。

まずは次の会議で、上記のテンプレートを使い、「決定事項」から書き始めてみてください。

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